年上少女のことが好きな年下少年の恋物語
御門くんとは小学四年生の時に初めてクラスが一緒になった。
それまで名前しか聞いたことがなく、実際に見るのは初めてだった。
『鈴くんってかっこいいよね〜』
『えー私はかわいい系だと思うな〜』
前のクラスでは御門くんの名前を聞かない日がないくらい話題だった。
そんな御門くんを見た時、素直に言うと身長がちっちゃいなと思った。
が、ある日の出来事によって、その印象が消し飛んだ。
「ねぇ、佐々木さん。その本面白いの??」
愛咲さんが話しかけてきた。
愛咲さんはクラスの女子の中心核で、私はその中心から1番遠い存在だった。
だから声をかけられた時、心臓のバクバクがうるさかった。
「・・・う、うん。面白いかな」
「へぇー。私も読みたい!!貸してよ!」
その本は昨日買ったばかりだし、読み終わってないし、正直貸したくなかったけど、貸すしかなかった。
一週間後。
「───────ありがとう佐々木さん。面白かった」
「・・・あ・・・・・・うん」
その本は、まるで新品の本じゃなかった。
折り目がついてる。
何かをこぼした跡。
破れた角。
ふざけんな。
そう言いたかったけれど、言えるはずがなかった。
それから愛咲さんは私に本を借りるようになった。
もちろんそれが元の綺麗さを残したまま帰って来るはずがなかった。
あぁ。今日もまた、きっと、本を借りに来る。
そんな憂鬱な気持ちを持ちながら、教室へ入る。
すると私の机に何か山ずみになっているのがわかった。
「・・・・・・え・・・?」
それは新品の本だった。
それも、全て愛咲さんに貸したものばかり。
「それ、鈴だよ」
そう、私に声をかけてきたのは、御門くんと仲の良い一百野くんだった。
わぁ。イケメンだ。
近くで見るとまたもまぁ。
御門くんの次くらいに人気のある男の子だ。
───────いや、今考えることじゃないや。
「佐々木さん、愛咲に本貸して汚くなってたの、鈴知ってたから。お小遣い全部使って昨日買ってきてたんだ」
え・・・・・・??御門くんが・・・??私のために・・・??
「あいつ不器用だから、直接愛咲本人には言わなかったけど。ちゃんとあいつの分、俺が注意しといたから。安心して」
その日から私は、御門くんが気になってしょうがなかった。
あの日のことが嬉しくて。嬉しくて。
けど、本人にはありがとうってちゃんと言えないまま時間だけが過ぎちゃった。
片思いって辛いって聞いてたけど、別にそんなことはなかった。想うだけで幸せだった。
きっとこのことは鈴くんは覚えてない。
クラスは一緒で、実行委員も面倒だと思ってたけど、鈴くんと一緒になれて。
それだけで十分だ。
十分・・・・・・
十分なのに・・・・・・
どうしてこんなにも苦しいの・・・・・・??
あの帰り道に会った、ゆずって人が、きっと・・・いや、絶対御門くんの好きな人だ。
『俺、心に決めた人がいるから───────』
心に決めた人・・・・・・それがあの人だ。
見た目は昭和の人みたいだったけど、声を聞けばわかる。
あの人はいい人だ。優しい人だ。
そんなの、御門くんが好きになるに決まってるよね。
けど、その人は御門くんが好きってことを知らないみたい。
それにかっこいい男の人まで隣にいて。
御門くんが辛そうで、不安そうな顔をしているのがなんか嫌だった。
それで思わず大きな声で変な自己紹介みたいなのしちゃって。
それで御門くんが笑顔になってくれた。
私って馬鹿だよね。好きな人の恋を手助けするようことしちゃったなんて。
けど、なんか。
御門くんが私を好きだったら。
って思っちゃった。
それが恥ずかしくて、ばかばかしくて。
御門くんには好きな人が、いるのに・・・・・・。
御門くんを手に入れたいって。私の事好きになってもらいたいって。
そう、思ったの。
この恋に、もうストップはない。
好きでい続けよう。
迷いなんかなくそう。
私は私でいよう。
御門くん。私の想いに気づいて・・・??
こんな地味で欲張りな私だけど
願わくば、私だけを見て────────
ゆずさん。私。
本気で御門くんを奪いますよ。
それまで名前しか聞いたことがなく、実際に見るのは初めてだった。
『鈴くんってかっこいいよね〜』
『えー私はかわいい系だと思うな〜』
前のクラスでは御門くんの名前を聞かない日がないくらい話題だった。
そんな御門くんを見た時、素直に言うと身長がちっちゃいなと思った。
が、ある日の出来事によって、その印象が消し飛んだ。
「ねぇ、佐々木さん。その本面白いの??」
愛咲さんが話しかけてきた。
愛咲さんはクラスの女子の中心核で、私はその中心から1番遠い存在だった。
だから声をかけられた時、心臓のバクバクがうるさかった。
「・・・う、うん。面白いかな」
「へぇー。私も読みたい!!貸してよ!」
その本は昨日買ったばかりだし、読み終わってないし、正直貸したくなかったけど、貸すしかなかった。
一週間後。
「───────ありがとう佐々木さん。面白かった」
「・・・あ・・・・・・うん」
その本は、まるで新品の本じゃなかった。
折り目がついてる。
何かをこぼした跡。
破れた角。
ふざけんな。
そう言いたかったけれど、言えるはずがなかった。
それから愛咲さんは私に本を借りるようになった。
もちろんそれが元の綺麗さを残したまま帰って来るはずがなかった。
あぁ。今日もまた、きっと、本を借りに来る。
そんな憂鬱な気持ちを持ちながら、教室へ入る。
すると私の机に何か山ずみになっているのがわかった。
「・・・・・・え・・・?」
それは新品の本だった。
それも、全て愛咲さんに貸したものばかり。
「それ、鈴だよ」
そう、私に声をかけてきたのは、御門くんと仲の良い一百野くんだった。
わぁ。イケメンだ。
近くで見るとまたもまぁ。
御門くんの次くらいに人気のある男の子だ。
───────いや、今考えることじゃないや。
「佐々木さん、愛咲に本貸して汚くなってたの、鈴知ってたから。お小遣い全部使って昨日買ってきてたんだ」
え・・・・・・??御門くんが・・・??私のために・・・??
「あいつ不器用だから、直接愛咲本人には言わなかったけど。ちゃんとあいつの分、俺が注意しといたから。安心して」
その日から私は、御門くんが気になってしょうがなかった。
あの日のことが嬉しくて。嬉しくて。
けど、本人にはありがとうってちゃんと言えないまま時間だけが過ぎちゃった。
片思いって辛いって聞いてたけど、別にそんなことはなかった。想うだけで幸せだった。
きっとこのことは鈴くんは覚えてない。
クラスは一緒で、実行委員も面倒だと思ってたけど、鈴くんと一緒になれて。
それだけで十分だ。
十分・・・・・・
十分なのに・・・・・・
どうしてこんなにも苦しいの・・・・・・??
あの帰り道に会った、ゆずって人が、きっと・・・いや、絶対御門くんの好きな人だ。
『俺、心に決めた人がいるから───────』
心に決めた人・・・・・・それがあの人だ。
見た目は昭和の人みたいだったけど、声を聞けばわかる。
あの人はいい人だ。優しい人だ。
そんなの、御門くんが好きになるに決まってるよね。
けど、その人は御門くんが好きってことを知らないみたい。
それにかっこいい男の人まで隣にいて。
御門くんが辛そうで、不安そうな顔をしているのがなんか嫌だった。
それで思わず大きな声で変な自己紹介みたいなのしちゃって。
それで御門くんが笑顔になってくれた。
私って馬鹿だよね。好きな人の恋を手助けするようことしちゃったなんて。
けど、なんか。
御門くんが私を好きだったら。
って思っちゃった。
それが恥ずかしくて、ばかばかしくて。
御門くんには好きな人が、いるのに・・・・・・。
御門くんを手に入れたいって。私の事好きになってもらいたいって。
そう、思ったの。
この恋に、もうストップはない。
好きでい続けよう。
迷いなんかなくそう。
私は私でいよう。
御門くん。私の想いに気づいて・・・??
こんな地味で欲張りな私だけど
願わくば、私だけを見て────────
ゆずさん。私。
本気で御門くんを奪いますよ。