年上少女のことが好きな年下少年の恋物語
2.月曜日
今日は、明日オリテがあるので1年生は午前授業だった。
千代ちゃんの誘いで、桜賀くんと傑くんとでカラオケへ来た。
桜賀は片手にマイクを持ち、ノリノリで歌っている。
私は片手にタンバリンを持ってリズムをとっている。
あれ、タンバリンってこんなに楽しかったっけ・・・・・・
「はい次!!すぐるん!!」
マイクを手渡すと、珍しくやる気な傑くんは立ち上がり、選択した曲がなるのを待っている。
♪〜♪♪〜
彼が口を開いた瞬間。
────────全米が泣いた────────
「す、傑くん・・・超上手い・・・・・・」
「すぐるんの歌声初めて聞いた・・・やば・・・泣きそう」
「イケメンで歌上手いとかやばいな。ほんと芸能界入れば」
これは世界中の人に聞いてもらわないともったいない・・・・・・。そう思ってしまうほど、素晴らしかった。
「じゃ、次千代な」
「え、私あんたのあの歌声の後に歌うの?すごいやなんだけど」
「大丈夫だ。千代。お前に上手さは求めてないよ。ただ、盛り上げてくれればいいんだ・・・・・・」
「・・・・・・うざっ!!?」
そう、ムカついた千代ちゃんは、ロックな歌を歌い、その長い髪をブンブン振っていたのであった・・・・・・。
「・・・はい、・・・・・・トリは・・・ゆずの・・・ね」
頭を回しすぎたのか、頭がクラクラとして、目もどっかいってしまっている。
「え・・・・・・私はいいよ・・・!!タンバリン楽しいし」
「遠慮すんなって!!ゆずのっち!!思いっきりやれよ・・・!!」
そう、桜賀くんに後押しされ、マイクを持つ。
ほんと、歌あんまり上手くないんだよな・・・
中学の卒業祝いでクラスのみんなでカラオケに行った時、私が歌ったらほぼみんな寝ちゃってたんだよね。
♪♪〜〜♪♪〜
大きく息を吸い込む・・・・・・
────────全米が泣いた────────
「あれ??みんなどうしたの??」
みんなぐったりとソファにうなだれている。
「ゆ、ゆずの・・・・・・もう・・・歌わない・・・・・・で」
「ゆずの・・・っち・・・・・・破壊神になれ・・・る・・・うぅっ・・・」
「・・・・・・ひどい・・・・・・」
ゆずの頭の上には?が浮かんでいる。
そう、ゆずは音痴・・・・・・いや、ベスト・オブ音痴だ。
きっと天性の歌声である。
中学の時のカラオケも、みんな寝ていたわけでねく、気絶していたのだ・・・・・・
その後、3人は何も触れることなく、歌い続けた。
それと共に、ゆずをタンバリン係に任命したのであった────────