一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
めくった掛け布団の中に海音が潜り込む。

冷えきった身体は、どれ程の時間、萌音のベッド脇に佇んでいたのだろう。

萌音は自然な動作で、海音の身体に自分の身体を巻き付け、海音の身体を温めてあげようとした。

ゴツゴツとした逞しい身体は自分と似ても似つかない。

「萌音・・・暖かい。ありがとう」

「うん・・・」

萌音の心も、暖かくて満足する何かで満たされていく。

再び眠りに落ちようとしたとき、

「萌音・・・好きだ」

切羽つまった海音の声が、萌音の耳元をくすぐった。

「海音・・・さん?」

唇を冷たくて湿った何かで塞がれる。

「何、してるの?」

繰り返される口づけと共に、海音の手が萌音のモコモコウェアの中に忍び込み素肌を辿っていく。

「萌音、初めて君を見た時から、ずっと、ずっと君だけが好きだ・・・。よそ見をせず、萌音だけを求めてきた。ねえ、こうして君は俺のすぐ手の届くところにいるのに、俺はいつまで我慢すればいい・・・?」

切羽つまった声は、多大な色気を含んでおり、海音が長年、男性としての欲望を押さえ続けてきた結果なのだとわかった。

「できれば無理強いなんてしたくない。ねえ、俺が運命の片割れだって証明してみせるから、俺を受け止めてくれないか・・・?」

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