一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「海音さん、ここに今日は泊まって行きませんか?」

「えっ?」

゛泊まりたい゛に決まっているが、まさか、萌音の方から誘ってくれるとは思わなかったため心底驚いてしまった。

さらに、

「その足じゃとても家までたどり着けないでしょ?家までたどり着いても、身の回りのことは自分でできないと思うし、休みの間、ここにいて安静にしてれば月曜には良くなるかも知れないし、遠慮しないで泊まって行って下さい。部屋も二つ余ってますし」

などと優しい言葉をかけてくれる萌音。

願ってもない申し出だったが、一応は、

「いや、しかし、手負いでも俺は男だし、密室に二人でいたら何するかわかんないよ?」

と冗談めかして告げてみた。

しかし、萌音は不機嫌になることもなく

「ふふ。もしそうなったら私の自業自得なんですかね?」

と言って、買ってきた海音の下着とスウェット、Tシャツなどを手渡しお風呂に入るようにすすめてきた。

゛自業自得?それはそうなっても文句は言わないということか?゛

手を差し伸べて海音をお風呂場まで誘導する萌音に、海音の心臓は期待で高鳴る。

「手伝いましょうか?」

と大胆なことを言っておきながら、上半身裸になった海音を見て頬を染める萌音が超絶に可愛い。

一緒に入ろうか?と冷やかすとあっという間にキッチンに逃げて行った。
< 106 / 187 >

この作品をシェア

pagetop