一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
暗闇の中、15分以上は萌音のベッド脇に佇んでいただろうか。

萌音を衝動的に襲ってしまわないように、大きな枕を抱いてきたのは正解だった。

ポケットには大切な避妊具を忍ばせてきている。

だがこの超絶にアウェイな状況で、どうすればそれを活用できる場面に持ち込むことができるのだろうか?

スヤスヤと気持ち良さそうに眠る萌音の横で、海音は途方にくれていた。

「萌音・・・」

耳元で囁くと、身じろきした萌音がうっすらと瞼を開いた。

「海音・・・さん」

寝起きの色っぽい声は誘っているとしか思えない。

そう、何もかも海音の妄想でしかないだろう。

゛無理強いしたらダメだ゛

゛今だ、押し倒せ゛

相反する二つの想いが海音を焦燥に駆り立てる。

しかし、それよりも何よりも拒否されたら立ち直れないという不安も消せない。

「足が痛みますか?」

萌音の優しい声に、枕がかわると眠れないなどと咄嗟に思い付いた嘘を口にしていた。

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