一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
しかし、これは、弱っている者に手を差し伸べずにはいられない優しい萌音の懐に潜り込むには正攻法だったようで、すんなりと彼女のベッドに招き入れてもらった。

冷たくなった海音の身体を抱き締めてくれた萌音。

その柔らかくて温かな身体、立ち込める甘い匂い。

「萌音・・・好きだ」

我慢の限界を突破して愛の告白の言葉を口にした海音は、再び眠りに落ちようとした萌音を、繰り返す口づけと手のひらでの愛撫で現実に引き戻した。

「何、してるの?」

萌音の戸惑った言葉が、海音の理性を取り戻す。

「萌音、初めて君を見た時から、ずっと、ずっと君だけが好きだ・・・。よそ見をせず、萌音だけを求めてきた。ねえ、こうして君は俺のすぐ手の届くところにいるのに、俺はいつまで我慢すればいい・・・?」

思わず口にした本音には、我慢を強いる萌音への不満も含まれていると捉えられたに違いない。

それでも、目の前の好機を諦めきれない海音は、

「できれば無理強いなんてしたくない。ねえ、俺が運命の片割れだって証明してみせるから、俺を受け止めてくれないか・・・?」

と半ば半泣きになって萌音に懇願していた。

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