一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「そう・・・。だとしても、私はただの一社員だから、社長や重役がどこと結託しようと文句は言えないし言うつもりもないわ。建築物やインテリアの設計、デザインができれば私はそれでいい」
萌音は、テーブルに出していたデザイン画や計画書をバッグにしまうと、立ちあがり近藤に向き直った。
「色々と情報をありがとう。でも、今後は必要ないわ。私は自分の目で見たものしか信じない」
「ごめん。余計なことをした。本当はそんなことを言いたかったわけじゃないんだ。ここで萌音ちゃんを偶然見かけて嬉しくて声をかけただけ」
近藤は、上目遣いで萌音を見つめた。
そのかわいさ?に、普通の女性ならうっとりと見つめ返す場面なのだろうが、萌音はちっとも心が動かない。
「お試しでもいい。僕のことも君の恋人候補として見てはくれないか?」
突然の申し出と真剣な眼差しに萌音は目を見開くほど驚いた。
「いずれは僕の会社に君を招きたい。設計もデザインも君の好きなようにできる環境を約束する。考えてみてはくれないかな?」
父である長嶺教授の薦めで、萌音の就職先は、佐和山建設一択だった。
「佐和山には就職したばかりだもの。採用してくださったご恩もあるしすぐに辞めるなんてことはできない。でも先のことはわからない。返事は数年後になるかもしれないけど、それでもよければ考えてみる」
「ありがとう。僕も君にうちの魅力がわかってもらえるように積極的にアピールしていくよ」
萌音の意外にも前向きな返事に、近藤は喜んで笑った。
近藤の臀部に尻尾が見えるようでおかしかった。
海音と佐和田のことを教えてくれたことは余計なことだったが、今後、佐和山建設と佐和田産業が提携するのなら、将来的に萌音の居場所はなくなるだろうなとぼんやり思っていた。
萌音は、テーブルに出していたデザイン画や計画書をバッグにしまうと、立ちあがり近藤に向き直った。
「色々と情報をありがとう。でも、今後は必要ないわ。私は自分の目で見たものしか信じない」
「ごめん。余計なことをした。本当はそんなことを言いたかったわけじゃないんだ。ここで萌音ちゃんを偶然見かけて嬉しくて声をかけただけ」
近藤は、上目遣いで萌音を見つめた。
そのかわいさ?に、普通の女性ならうっとりと見つめ返す場面なのだろうが、萌音はちっとも心が動かない。
「お試しでもいい。僕のことも君の恋人候補として見てはくれないか?」
突然の申し出と真剣な眼差しに萌音は目を見開くほど驚いた。
「いずれは僕の会社に君を招きたい。設計もデザインも君の好きなようにできる環境を約束する。考えてみてはくれないかな?」
父である長嶺教授の薦めで、萌音の就職先は、佐和山建設一択だった。
「佐和山には就職したばかりだもの。採用してくださったご恩もあるしすぐに辞めるなんてことはできない。でも先のことはわからない。返事は数年後になるかもしれないけど、それでもよければ考えてみる」
「ありがとう。僕も君にうちの魅力がわかってもらえるように積極的にアピールしていくよ」
萌音の意外にも前向きな返事に、近藤は喜んで笑った。
近藤の臀部に尻尾が見えるようでおかしかった。
海音と佐和田のことを教えてくれたことは余計なことだったが、今後、佐和山建設と佐和田産業が提携するのなら、将来的に萌音の居場所はなくなるだろうなとぼんやり思っていた。