一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
聞けば単純に解決できることだった。

今回、海音はたまたま証拠を残すことができたけれど、不可抗力で起こったり、意志に反して巻き込まれたりした場合はどうやってそれを証明し、相手に納得してもらうのだろうか。

゛違うよ。信じて゛

言葉や視覚で伝達することのできない、細やかな部分を信じてもらうには、お互いを知って妥協点を擦り合わせていくしかないのだろう。

いつかこの恋心も、なんの痛みも伴わない、ただの現象に変わるのだろうか・・・?

萌音が読んだ本の中である学者が言っていた。

恋愛脳は4年で衰退するため、その頃に離婚が増えるのだ、と。

恋愛するときにも分泌されるドーパミンは3年しか効果が続かないからだ、とも。

疑心暗鬼であったさっきまでは、そんな諸説も信じられるような気がしていた。

しかし、海音は8年間も萌音への想いを温め続けているのだという。

身を呈して、萌音への忠誠を示してくれる海音。

一般論や進化論に惑わされずに、萌音は自分が見て、感じて、信じたものを大切にしていきたいと、心から思った。

゛とても心のきれいな人゛

真っ直ぐで、不器用で、繊細さも持ち合わせた海音は萌音の運命の片割れ。

萌音が生きてきた22年間のうちで、こんなにも心を揺さぶられて、迷ったり悩んだりする気持ちを与えてくれる人物はいなかった。

海音だから嫉妬をするし、海音のことだから不安になる。

中等部で聞いた講演会のあの日から、萌音が一心に温め続けた想いは、全てが目の前の海音に繋がる道標だったのだ、と信じられるこの瞬間が愛しかった。

それを気づかせてくれた佐和田に感謝すべきだろうか・・・?

゛んなわけ、ねえだろう゛

゛海音を傷つけた制裁は受けてもらう゛

萌音は手負いの゛イケメンフェチ代表゛として、反撃の狼煙をあげる決意をした。
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