一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「君は佐和田産業の・・・娘さんを知っているかい?」
唐突な長嶺の問いに、野瀬は軽く首を傾げたが、すぐに思い立ったように、テーブルの脇に置いてあった作文を手に取り、長嶺に渡した。
「これは?」
「佐和田産業のお嬢様。靖子さんの当時の感想文よ」
「なるほど、と納得するほどの肉食系だな」
長嶺は苦笑して感想文をテーブルに置いた。
「基本的に他人が何をしようと私は干渉しない。だが、萌音を傷つけるなら話は別だ」
「私の力を貸して欲しいってわけ?」
「正確には君の旦那の力だ」
「そうね。夫も萌音ちゃんのファンだから、話の持っていき方次第では協力してくれると思うわ」
たかが恋愛、されど運命の片割れ探し。
萌音と海音の周りを取り囲むソウルメイトは、想像以上に巨大なメンツばかりが揃っていた。
野瀬史佳の夫は、大手都市銀行の頭取をしている。
史佳自身がその銀行の設立者の曾孫なのだが、女性のみの一人っ子であったために、できのよい婿を迎えて後を継がせた。
数十回におよぶお見合いの後、野瀬は運命の片割れと出会い結婚をしている。
それが、野瀬泰蔵、56歳。
経済界のドンと呼ばれる男だった。
唐突な長嶺の問いに、野瀬は軽く首を傾げたが、すぐに思い立ったように、テーブルの脇に置いてあった作文を手に取り、長嶺に渡した。
「これは?」
「佐和田産業のお嬢様。靖子さんの当時の感想文よ」
「なるほど、と納得するほどの肉食系だな」
長嶺は苦笑して感想文をテーブルに置いた。
「基本的に他人が何をしようと私は干渉しない。だが、萌音を傷つけるなら話は別だ」
「私の力を貸して欲しいってわけ?」
「正確には君の旦那の力だ」
「そうね。夫も萌音ちゃんのファンだから、話の持っていき方次第では協力してくれると思うわ」
たかが恋愛、されど運命の片割れ探し。
萌音と海音の周りを取り囲むソウルメイトは、想像以上に巨大なメンツばかりが揃っていた。
野瀬史佳の夫は、大手都市銀行の頭取をしている。
史佳自身がその銀行の設立者の曾孫なのだが、女性のみの一人っ子であったために、できのよい婿を迎えて後を継がせた。
数十回におよぶお見合いの後、野瀬は運命の片割れと出会い結婚をしている。
それが、野瀬泰蔵、56歳。
経済界のドンと呼ばれる男だった。