一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「今日は野瀬教授と話せて良かった」

「俺も萌音と一緒にあのときの話の続きを聞きたかったな」

公用車の中で、心底嬉しそうに語る萌音に、海音は笑顔を返した。

「リフォームの件も順調に進みそうだし、仕事は順風満帆だな」

「そうだね。しっかり納得してもらえるものを作らないと」

萌音は決して仕事で妥協することはない。

事実、森田夫妻のインテリアリフォームのデザイン画も完璧にやってのけた。

萌音のSNSには、営業部・杉田からの花丸の返事が届いていた。

「巻き込まれ事案とはいえ、萌音との最初の仕事を杉田に取られたのは痛いな」

「何を言っているんですか。森田宅の設計は海音さんの仕事でしょ?私達はあなたの仕事を取ったりなんかしてないわ」

「私達とか言うな。俺以外の男とのペアなんて言葉の上でも認めない」

独占欲を隠さない海音に、萌音は苦笑する。

海音が運転中で良かったと、萌音は心の底から思った。

喧嘩?以降の激甘海音は、所構わず萌音に触れてくるから。

「この後は直帰でいいと中武主任に言われた。Hotel blooming に向かう予定だが、萌音も一緒に行ってくれるか?」

海音の言葉に萌音は頷く。

あのスイートルームでの三角絞め事件。

ホテルのCEOと顧問弁護士は、どのような判断を下したのか、萌音にも興味があった。
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