一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
翌日、萌音は携帯の目覚ましが鳴って飛び起きた。

時計は朝6時を示している。

仕事は8時半開始だ。

シャワーを浴びる時間はある。

マンションから会社まで徒歩10分。

萌音はサッとシャワーを浴びると新しいスーツに着替えた。

今日は契約者様宅や取引先を訪問すると海音は言っていた。

昨日は下ろしていた背中まである長い髪を、今日は一つ結びにしてシニヨンにまとめた。

靴は歩きやすくて疲れないものを選択。

建築学科にいた頃も、あらゆる建築物を見るために遠出をしたものだ。

自分に合った服装と携帯品選びには自信がある。

準備が整うと、急に空腹を自覚し始めた。

考えてみれば、昨日の昼からなにも食べていないのだ。

幸い、一昨日作りおきしておいた保存食品の数々が冷蔵庫に入っている。

萌音はそれらをあたためて朝食にすると、

「いただきます」

と両手を合わせて一人の朝食を満喫した。

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