一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
萌音は諦めて、お風呂にお湯をためると、お気に入りのバスソルトをいれてゆっくりつかった。

考えるのはやはり、海音のことだった。

もしも海音が萌音のツインソウルなら、海音も萌音を見た瞬間にそう思ったのではないか?

海音は萌音を四年前から見かけているはずだが、そんなことを思ったなら何らかのアプローチがあってもいいはずだ。

しかし、海音はそれをしなかった。

萌音も゛さわやん゛の姿の海音には興味を持たなかった。

それが答えなのではないだろうか?

やはり、海音は萌音のソウルメイトなのだと考えれば納得がいく。

萌音は、バスソルトのシオバターの香りに癒されながら、ウンウンと頷いた。

フッと、真っ赤な顔をしたしのぶの顔が思い浮かんだ。

あの様子からすると、しのぶは海音のことを好きになったのかもしれない。

そう考えるとなぜか、萌音の胸がキュンと痛んだ。

゛自分のツインソウルだと思った人を、他の誰かが好きになった場合はどういう態度をとったらいいの?ツインソウルじゃないからって諦められるものなの?゛

最早、萌音にとってはわからないことだらけで、混乱の極みだった。

誰かを好きになったこともない、自己犠牲を強いられることもなかった人生。

萌音自身が、この気持ちこそが恋なのだと思い知るのはまだ先の話だった。
< 46 / 187 >

この作品をシェア

pagetop