一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
スタートダッシュ
翌日の金曜日。
あまり眠ることのできなかった萌音は、あくびを噛み締めながら会社に向かった。
結局、自分の気持ちも、今後どうすべきかも結論がでないまま朝を迎えた。
自分はクールで何事にも動じないと萌音は思っていた。
満員電車が揺れるから庇うように抱き締められて、込み合う駅構内ではぐれないように手を繋いで、近づきすぎたせいで事故ともいえるキスをした、それだけでこんなに動揺するなんて萌音らしくない。
゛今日は1日自分のペースを崩さない゛
そう誓った萌音は、いつも以上のツンツンモード全開で設計課の入り口を通過した。
「おはようございます」
「おはよう。流川さん」
「おはよう、萌音ちゃん」
入り口近くには、桜としのぶの席がある。
朝から二人の顔を見ることができて、萌音は心底ホッとしていた。
海音と萌音の席とは少し距離があり、インテリアデザイナーゾーンから見ると死角になるため、そちらの様子を伺うことができずに残念に感じていた。
何せ、設計課には女性は3人しかいないのだから。
「ねえ、萌音ちゃん、今日の夜・・・」
何かを言いかけた桜の声を、聞き慣れた男性の声が遮った。
「だめだよ、今日も萌音は午後から外回りで遅くなる」
海音の一言に、萌音は゛今日は内勤かも゛という淡い期待を心の中から完全に消去せざるを得なかった。
あまり眠ることのできなかった萌音は、あくびを噛み締めながら会社に向かった。
結局、自分の気持ちも、今後どうすべきかも結論がでないまま朝を迎えた。
自分はクールで何事にも動じないと萌音は思っていた。
満員電車が揺れるから庇うように抱き締められて、込み合う駅構内ではぐれないように手を繋いで、近づきすぎたせいで事故ともいえるキスをした、それだけでこんなに動揺するなんて萌音らしくない。
゛今日は1日自分のペースを崩さない゛
そう誓った萌音は、いつも以上のツンツンモード全開で設計課の入り口を通過した。
「おはようございます」
「おはよう。流川さん」
「おはよう、萌音ちゃん」
入り口近くには、桜としのぶの席がある。
朝から二人の顔を見ることができて、萌音は心底ホッとしていた。
海音と萌音の席とは少し距離があり、インテリアデザイナーゾーンから見ると死角になるため、そちらの様子を伺うことができずに残念に感じていた。
何せ、設計課には女性は3人しかいないのだから。
「ねえ、萌音ちゃん、今日の夜・・・」
何かを言いかけた桜の声を、聞き慣れた男性の声が遮った。
「だめだよ、今日も萌音は午後から外回りで遅くなる」
海音の一言に、萌音は゛今日は内勤かも゛という淡い期待を心の中から完全に消去せざるを得なかった。