一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「えっ、どう見ても高校生でしょ?」

「ごめんね、中身もお肌も立派なおばさんです」

ムッとする萌音を見て、

「いや、僕達、全然おねーさんでもありですよ。何なら手取り足取り色々と・・・」

「教えねえよ。さっさと失せろ」

地を這うような海音の声に、調子に乗っていた男子二人は

「ごめんなさい」

と言ってそそくさと駆け出していった。

「守備範囲広すぎだろ」

「なんなら中学生にもナンパられたことありますけど」

「てか、もう一人でこんなとこ立つな」

「さわやんが、ここで待て言うたんやないかい!」

二人のやりとりをチラチラ見る者もいたが、忙しない都会の人達は次々と現れては消えていく。

「じゃあ行くか」

当たり前のように萌音の手を引き歩き出す海音の姿に、萌音の胸は、またもギュッと締め付けられる。

仕事のようなものとはいえ、私生活の海音と一緒に過ごせば、萌音のこの謎の感情の正体も少しはわかるのではないかと、萌音は期待していた。
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