一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
イタリアンカフェを出て、萌音は海音と近くのショッピングモールに向かった。
相変わらず身体は密着し、海音の左腕は萌音の腰に回されている。
食事が済んでも、萌音はさっきの海音の高等部の頃の話を再開させるきっかけを失っていた。
歩きながら、何かを見ながらする話ではない。
萌音はとりあえず保留にして、海音を知ることに専念しようと思い直した。
向かうは大型家具店である。
ブース分けされたインテリアコーナー、家具の種類別の展示も見ごたえがある。
できればエクステリアも見てみたいが、家具店では難しい。
そっちは次回に持ち越すことにして、萌音は海音と意見を交わしながら、家具の一つ一つを見ていった。
「佐和山、くん?」
テーブルコーナーを見ているときだった。
綺麗に着飾った、でも気品に溢れる女性が一人、海音と萌音の後ろに立っていた。
「佐和田」
「わあ、偶然って重なるんだね。やっぱり運命かも?・・・そちらは、妹さん?随分仲がいいのね」
佐和田と呼ばれた女性は悪びれずに微笑みながら言ったから本心なのだろう。
家具店に入ってからは、お互いに関心のある家具を眺めることが多くなり、そんなに密着して歩いてはいなかった。
「あんたには関係ないだろ?行こう、萌音」
萌音の前で見せる甘い顔とは打って変わって、無愛想な顔で佐和田をチラ見しただけの海音。
「えー?ちょっと待ってよ。次回の同窓会のことだけど、今度は佐和山くんと私が幹事ってことになって・・・」
「勝手に決めるなよ。そんなことなら俺はもう2度と同窓会には行かないから」
「いや、それも困るわ。数少ない女子はほとんどが佐和山くん目当てで来るんだもの」
佐和田の本心が言葉の端々に見える。
きっと彼女は海音のことが好きなんだろう、と鈍い萌音にもわかった。
相変わらず身体は密着し、海音の左腕は萌音の腰に回されている。
食事が済んでも、萌音はさっきの海音の高等部の頃の話を再開させるきっかけを失っていた。
歩きながら、何かを見ながらする話ではない。
萌音はとりあえず保留にして、海音を知ることに専念しようと思い直した。
向かうは大型家具店である。
ブース分けされたインテリアコーナー、家具の種類別の展示も見ごたえがある。
できればエクステリアも見てみたいが、家具店では難しい。
そっちは次回に持ち越すことにして、萌音は海音と意見を交わしながら、家具の一つ一つを見ていった。
「佐和山、くん?」
テーブルコーナーを見ているときだった。
綺麗に着飾った、でも気品に溢れる女性が一人、海音と萌音の後ろに立っていた。
「佐和田」
「わあ、偶然って重なるんだね。やっぱり運命かも?・・・そちらは、妹さん?随分仲がいいのね」
佐和田と呼ばれた女性は悪びれずに微笑みながら言ったから本心なのだろう。
家具店に入ってからは、お互いに関心のある家具を眺めることが多くなり、そんなに密着して歩いてはいなかった。
「あんたには関係ないだろ?行こう、萌音」
萌音の前で見せる甘い顔とは打って変わって、無愛想な顔で佐和田をチラ見しただけの海音。
「えー?ちょっと待ってよ。次回の同窓会のことだけど、今度は佐和山くんと私が幹事ってことになって・・・」
「勝手に決めるなよ。そんなことなら俺はもう2度と同窓会には行かないから」
「いや、それも困るわ。数少ない女子はほとんどが佐和山くん目当てで来るんだもの」
佐和田の本心が言葉の端々に見える。
きっと彼女は海音のことが好きなんだろう、と鈍い萌音にもわかった。