一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
「海音さん、ここに今日は泊まって行きませんか?」

「えっ?」

大きく目を見開いた海音の表情に動揺が見てとれる。

「その足じゃとても家までたどり着けないでしょ?家までたどり着いても、身の回りのことは自分でできないと思うし、休みの間、ここにいて安静にしてれば月曜には良くなるかも知れないし、遠慮しないで泊まって行って下さい。部屋も二つ余ってますし」

ニコニコと笑う萌音に無理している様子はない。

「いや、しかし、手負いでも俺は男だし、密室に二人でいたら何するかわかんないよ?」

ソファに腰かけたままそう告げる海音に、いつもの強引さは見てとれない。

「ふふ。もしそうなったら私の自業自得なんですかね?それよりも、私これから料理に取りかかりますので、海音さん、お風呂に入って来てください。着替えも買ってきました。あ、歩けませんか?私が支えますので、ほら掴まって」

萌音が手を差し出すと、瞳をウルウルさせた海音が上目遣いで見つめてきて、可愛すぎて萌える。

最早、萌音の゛手負いの男性フェチ゛は疑いようもなかった。

素直に萌音に従った海音は、萌音に支えられながらバスルームに向かった。

「手伝いましょうか?」

「フフ、さすがに手は使えるから大丈夫だよ」

昔、祖母が祖父の在宅介護をしていた頃、萌音もそのお手伝いをしていたことから男性の裸には免疫はある。

しかし、徐に上着を脱いだ海音の上半身は祖父とは似てもにつかず、見事に割れたシックスパックと引き締まった上腕二頭筋が美し過ぎて、つい萌音は凝視してしまった。

「何?萌音も一緒にはいる?」

「い、いえ、遠慮させてもらいます。ごゆっくり。あ、足は温め過ぎないように!」

動揺して真っ赤になった萌音が、パタパタとリビングに向かって走って行く。

海音はクスっと笑って、バスルームの中に入っていった。
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