一途な溺愛王子様
「あたしは、カンナが好きみたい」


あたしがそんなことをぼそりと呟くと、今まで見たことないくらいカンナの瞳は大きく見開かれた。


「あたしは一度も、カンナの口からカンナの気持ちを聞いたことがないんだけーー」


あたしが言葉を全て吐き出す前に、カンナがあたしの顎をクイッと持ち上げて、ついばむようなキスをした。

何度も、何度も。

確かめるみたいに、何度も。

どれくらいそうしていたのか分からないけれど、やっとカンナの唇があたしの唇から離れていった時、カンナは熱いほど熱を帯びた瞳でこう言った。


「好きだよ」


そう言った後再びあたしの唇を奪った。


「だから、ひめ、俺のものになってよ」

「あたしはものじゃない」


それに……。


「そんなこと言って、カンナはあたしの中身を知ってまたカンナはがっかりするんでしょ」


『……がっかりだよ』

『幻滅したよ』


……もう、あんな言葉を聞くのはたくさんだ。あんな惨めで悲しい思いはしたくない。


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