一途な溺愛王子様
「よっしゃ!」
なんて言いながらガッツポーズをする姿が目に止まる。
「なんだよ、盗み見かよ。趣味悪いな」
「失礼な。あんたがあたしの通り道で告られてたのが悪いんじゃん。こっちは被害者だっつーの」
景色は夕日に焼けて赤く染まっている中、この女子だけは黒い染みみたいに景色の中に影を落としている。
偉そうな物言いが、どこか男らしい。なんて幾分この影の人物に興味を持ち始めていた頃だった。
謎の女は腕を伸ばして大きく伸びをした後、こんな言葉を俺に投げ捨てた。
「あんたさ、前から言いたかったんだけど、見てくれはいいのかもしんないけど中身はイケてないから。中身をもっと磨いた方がいいよ。人間なんて結局中身でしょ」
……なんだよ、偉そーに。そもそもお前誰だよ。
ムカつく言い方だし、明らかに敵意みたいなの剥き出しな物言いに何か言い返したかったが、やめた。
ムカつくけど、その意見には同意だったからだ。
俺が何も言わずに黙ってる間に、謎の女子は俺に背を向けて走り出した。
髪とスカートを靡かせながら。キラキラとした夕日が彼女のシルエットを輝かしいものにしていた。
風に乗って俺の耳をくすぐる小さな歌は、きっとあの彼女が歌っているのだろう。
彼女が去った後も、俺はずっとその曲が頭から離れなかった。
なんて言いながらガッツポーズをする姿が目に止まる。
「なんだよ、盗み見かよ。趣味悪いな」
「失礼な。あんたがあたしの通り道で告られてたのが悪いんじゃん。こっちは被害者だっつーの」
景色は夕日に焼けて赤く染まっている中、この女子だけは黒い染みみたいに景色の中に影を落としている。
偉そうな物言いが、どこか男らしい。なんて幾分この影の人物に興味を持ち始めていた頃だった。
謎の女は腕を伸ばして大きく伸びをした後、こんな言葉を俺に投げ捨てた。
「あんたさ、前から言いたかったんだけど、見てくれはいいのかもしんないけど中身はイケてないから。中身をもっと磨いた方がいいよ。人間なんて結局中身でしょ」
……なんだよ、偉そーに。そもそもお前誰だよ。
ムカつく言い方だし、明らかに敵意みたいなの剥き出しな物言いに何か言い返したかったが、やめた。
ムカつくけど、その意見には同意だったからだ。
俺が何も言わずに黙ってる間に、謎の女子は俺に背を向けて走り出した。
髪とスカートを靡かせながら。キラキラとした夕日が彼女のシルエットを輝かしいものにしていた。
風に乗って俺の耳をくすぐる小さな歌は、きっとあの彼女が歌っているのだろう。
彼女が去った後も、俺はずっとその曲が頭から離れなかった。