一途な溺愛王子様
翌日になっても、俺の頭の中ではあの曲が流れ続けていた。

何度もリピートするあの曲に、何度もリピートするあのシルエット映像。

キラキラと夕日を反射させながら、綺麗なシルエットの女子。


「……あの謎の女、妙に綺麗だったな」


なんて、顔も見えなかったのにそう思ったことに驚いた。何気なく出た言葉だった。

綺麗なのはシルエットで、あの光景のことを指しているのだろう。そうでなければ意味がわからない。

自分で言っておいて、言葉の意味を理解していなかったのだ。


そもそも、女子をそんな風に思ったこと自体初めてだった。



「おっ、雨宮さんのクラス体育じゃん。体操着姿でも美人だなー」


馬鹿げた言葉を言ったクラスの男子。その男子につられるようにして、他の男子も校庭を見ようと廊下側の窓に詰めかけている。


「お前らあの女の何がいいんだよ」

「目の肥えたイケメンなお前には、一生わかんねーよ」


俺は懸命に窓の外に目を向けるクラスの男子らを尻目に、購買部にでも行こうとした時。

ただなんとなく、校庭に視線を落とした。


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