一途な溺愛王子様
「悪いけど、諦めて?」
その声、その言い方。
「……カンナ、なんでここんなところにまでいるのよ」
振り返らなくとも分かる。こいつは今あたしが一番会いたくない相手だ。
「あ、あれ? 雨宮さん彼氏いないんじゃ……」
「はい、いませーー」
あたしが肯定しようとしてるのに、カンナはあたしの顎をくいっと持ち上げて、あっさりとあたしの唇を奪った。
「……!」
昨日以上の驚きに、あたしは再び固まった。
朝日よりも眩しい微笑みをあたしの頭上から降り注ぎながら、カンナはまたトロンとした瞳であたしを見つめている。
「ひめ、嘘はいけないよ。そんな嘘つくとまた口塞ぐから」
そう言った後、カンナは向かいに立つ桶谷くんに向き合った。さっきまでの瞳は見る影もなく、冷たく鋭い視線で相手を突き刺すみたいな瞳で。
「ということだから、諦めて」
桶谷くんは狐につままれたような表情で立ち尽くしている。そんな彼を横目に、カンナはあたしの手を握りしめてスタスタと学校の方角へと歩き始めた。
その声、その言い方。
「……カンナ、なんでここんなところにまでいるのよ」
振り返らなくとも分かる。こいつは今あたしが一番会いたくない相手だ。
「あ、あれ? 雨宮さん彼氏いないんじゃ……」
「はい、いませーー」
あたしが肯定しようとしてるのに、カンナはあたしの顎をくいっと持ち上げて、あっさりとあたしの唇を奪った。
「……!」
昨日以上の驚きに、あたしは再び固まった。
朝日よりも眩しい微笑みをあたしの頭上から降り注ぎながら、カンナはまたトロンとした瞳であたしを見つめている。
「ひめ、嘘はいけないよ。そんな嘘つくとまた口塞ぐから」
そう言った後、カンナは向かいに立つ桶谷くんに向き合った。さっきまでの瞳は見る影もなく、冷たく鋭い視線で相手を突き刺すみたいな瞳で。
「ということだから、諦めて」
桶谷くんは狐につままれたような表情で立ち尽くしている。そんな彼を横目に、カンナはあたしの手を握りしめてスタスタと学校の方角へと歩き始めた。