一途な溺愛王子様
木枯らし
「さっむ! あー寒いー!」
こんな季節に中庭の掃き掃除とか、可愛い女子生徒が風邪でも引いたらどうしてくれるのか。
思わず垂れそうになる鼻をすすりながら、のそのそとほうきで中庭のコンクリートがある通り道を掃いた。
「ひめちゃーん、寒いからみんなでじゃんけんして、負けた人がジュースおごるって話してるんだけど、ひめちゃんも乗らない?」
同じく中庭掃除の美樹ちゃんがほうきも持たずに手招きしている。
「えー、それなら負けた人じゃなくて勝った人にしない?」
「なんで?」
「負けて払うなら2度悲しくない? でも勝って払うなら太っ腹! ってなるじゃん」
要は気持ちの問題だ。
美樹ちゃんは笑いながら少し離れたところにいる他のクラスメイトにもあたしの意見を共有してくれている。
「良いな、その意見に乗った!」
そう言ったのは、同じく掃除区域が同じだったコウだ。
あたしが美樹ちゃんに追いつくと、コウともう一人の男子もあたしの意見には賛成してくれたらしい。
「じゃあ一発勝負で! じゃーんけーん……」
こんな季節に中庭の掃き掃除とか、可愛い女子生徒が風邪でも引いたらどうしてくれるのか。
思わず垂れそうになる鼻をすすりながら、のそのそとほうきで中庭のコンクリートがある通り道を掃いた。
「ひめちゃーん、寒いからみんなでじゃんけんして、負けた人がジュースおごるって話してるんだけど、ひめちゃんも乗らない?」
同じく中庭掃除の美樹ちゃんがほうきも持たずに手招きしている。
「えー、それなら負けた人じゃなくて勝った人にしない?」
「なんで?」
「負けて払うなら2度悲しくない? でも勝って払うなら太っ腹! ってなるじゃん」
要は気持ちの問題だ。
美樹ちゃんは笑いながら少し離れたところにいる他のクラスメイトにもあたしの意見を共有してくれている。
「良いな、その意見に乗った!」
そう言ったのは、同じく掃除区域が同じだったコウだ。
あたしが美樹ちゃんに追いつくと、コウともう一人の男子もあたしの意見には賛成してくれたらしい。
「じゃあ一発勝負で! じゃーんけーん……」