転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

　大陸一の大国であるオストヴァルト帝国には、国内外の王族貴族の子女を集め、共に学ばせるという習慣がある。これは、オストヴァルト帝国に縁を持つ者を作ることにより、戦争によらず大陸全土に影響を及ぼすために取られている政策だ。
大陸のほぼすべての国が、オストヴァルト帝国に王族貴族の子女を何人か、送り込んで学ばせている。こうすることによって周囲の国の情勢を知ることができ、強国に縁を持つことができる。子女を送り出す側の国にとってもメリットがあるというわけだ。
　ふたりともヴィオラより少し年上で、この国の皇族と縁をつなぐという役を負っているらしい。

「……そろそろ、婚約式があるのではないですか？」

　そうヴィオラに問いかけたのは、スティーシャだった。
　背が高くすらりとしている彼女は、ぱっちりとした大きな瞳を持つ美少女だ。ヴィオラがやったら、絶対に似合わないであろう蠱(こ)惑(わく)的(てき)な笑みも彼女にはよく似合う。