転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「明日か明後日のお茶の時間に間に合うように届けてもらいますね」

 皇宮内の建物にはそれぞれ厨房があり、専属の料理人がいるのだが、互いに食材を融通し合ったり、できあがった料理やレシピを交換したりすることもあると最近知った。
 アイスクリームをクィアトール宮に届ける程度のことならば、ヴィオラの裁量の範囲内だ。

(パフェに仕立ててもらったら、みんな喜ぶでしょうね)

 クィアトール宮の料理人達に、満月宮の料理人からパフェの盛り付けを伝授してもらおうと記憶しておく。

「わあ、楽しみ。私、抹茶は苦手だったけれど、イチゴは期待しているの」

 スティーシャが真っ先に両手を打ち合わせ、リネットも微笑む。口を挟まず、こちらを遠巻きにしているふたりも、甘いものには興味をそそられたようだ。
 彼女達とも敵対したいわけではないので、気に入ってくれたらヴィオラも嬉しい。おいしいものは、心を豊かにしてくれる。

(……そろそろ帰った方がよさそうね)

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