転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
セスの衣服は切り裂かれていた。それを拾い集めていたニイファが、服の裏地からなにかを取り出し、リヒャルトに差し出す。
ヴィオラの目には、油紙に包まれている小さなものということしかわからなかった。リヒャルトは油紙を開き、中身だけを上着の内ポケットに入れる。
「ニイファもすまなかった。君のおかげで助かった」
「いえ、私はヴィオラ様のご命令にしたがっただけですから。それにしても、セスが戻ってくるなんて驚きました。リヒャルト様にそれを届けようと、必死だったのでしょうね」
「……ああ」
セスが届けようとしていたものは、いったいなんなのだろう。
自分がそれを問える立場でないことをヴィオラはわかっているから、口を閉じているけれど。
「タケルも、ヴィオラも。本当にすまなかった。まさか、こんな形で巻き込むことになるとは」
帝国の皇太子ともあろう人が、ヴィオラに頭を下げている。リヒャルトを止めようとしたヴィオラだったけれど、先に彼を止めたのはタケルだった。
ヴィオラの目には、油紙に包まれている小さなものということしかわからなかった。リヒャルトは油紙を開き、中身だけを上着の内ポケットに入れる。
「ニイファもすまなかった。君のおかげで助かった」
「いえ、私はヴィオラ様のご命令にしたがっただけですから。それにしても、セスが戻ってくるなんて驚きました。リヒャルト様にそれを届けようと、必死だったのでしょうね」
「……ああ」
セスが届けようとしていたものは、いったいなんなのだろう。
自分がそれを問える立場でないことをヴィオラはわかっているから、口を閉じているけれど。
「タケルも、ヴィオラも。本当にすまなかった。まさか、こんな形で巻き込むことになるとは」
帝国の皇太子ともあろう人が、ヴィオラに頭を下げている。リヒャルトを止めようとしたヴィオラだったけれど、先に彼を止めたのはタケルだった。