転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

「ヴィオラ様に、そのようなことをさせるわけには」
「だめよ、ニイファもちゃんと食べないと。それと、セスもスープくらいは食べるかもしれないし」

　厨房に食事の支度を頼んでから、ヴィオラは侍女を貸してほしいと皇妃のところに頼みに行った。
　先ほどの皇帝のデレデレっぷりを見ていると、昔の関係に戻ってしまうのではないかという気もする。
　けれど、皇妃は心配している様子を見せなかった。リヒャルトが皇妃のそばにいて、なにか書類を差し出している。ここで、仕事をしているようだ。
　タケルは、皇妃とは違うテーブルにいて、教科書やノートを広げている。皇妃の居間は、穏やかな時間が流れていた。

「ニイファは体調を崩しているのですって？」
「あ、はい。たいしたことはなさそうだったので、侍医ではなく、タケル様のミナホ国のお医者様に診てもらいました。ちょっと風邪を引いただけのようです」
「そう。では、侍女に見舞いの品を届けさせましょうね。私も様子を見に行きたいけれど、陛下にうつしてしまうと大変だから……」