転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

「はい、皇妃様にお見舞いしていただくほどのことではありません。皇妃様の侍女も、そばに寄らない方がいいと思います。私も、しばらくこちらにうかがうのはやめておきますね」

　今、ニイファの部屋に行ったところで空っぽだ。懸命に皇妃を止めた。

「そうね。その方がいいかもしれないわね。陛下もまだ本調子ではないもの。ニイファがよくなったら、またお茶をしましょうね」
「その時にはお菓子を用意しますね」

　ヴィオラと皇妃が話をしているのに対し、リヒャルトは黙り込んでしまっている。おそらく、セスのことが心配なのだろう。

「たいしたことないって言ってたし、数日中にヴィオラのところに戻れるんじゃないかと思います」

　タケルがそう口を挟む。タケルも満月宮の住民なので、ミナホ国の人達の様子を見に行く日をのぞいては、皆と一緒に食事をするのだ。

「ミナホ国のお医者様なら、安心ね」
「……診てもらえてよかったです」