転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
ひょっとしたら、体調不良を理由とし、昨年から続いていたそれらの不始末を一気に片付けるつもりなのかもしれない。
(……やれやれ、父上も計算高い)
そのような一面があるということはリヒャルトも知っていた。そうでなければ、この広大な帝国を治めることなどできない。
自分に反対する立場の者は容赦なく切り捨てる。かつてのリヒャルトも、父の怒りを買うのを恐れていた。
けれど、父はそれだけではない。人間的な面も持ち合わせていると最近まで気づかなかった。それを教えてくれたのはヴィオラだ。
『甘いところも、お持ちだと思うんですよね』
耳の奥によみがえるのは、リヒャルトにそう告げた幼い声。
『私に優しくしてくださるのも、そういうことだと思うんですよ』
たしかにリンデルトの言うとおりだ。彼女は年の割に聡い。こちらが一方的に助けられているのを申し訳なく思うほどに。
(……やれやれ、父上も計算高い)
そのような一面があるということはリヒャルトも知っていた。そうでなければ、この広大な帝国を治めることなどできない。
自分に反対する立場の者は容赦なく切り捨てる。かつてのリヒャルトも、父の怒りを買うのを恐れていた。
けれど、父はそれだけではない。人間的な面も持ち合わせていると最近まで気づかなかった。それを教えてくれたのはヴィオラだ。
『甘いところも、お持ちだと思うんですよね』
耳の奥によみがえるのは、リヒャルトにそう告げた幼い声。
『私に優しくしてくださるのも、そういうことだと思うんですよ』
たしかにリンデルトの言うとおりだ。彼女は年の割に聡い。こちらが一方的に助けられているのを申し訳なく思うほどに。