転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
そして、世界中の郷土料理や日本の郷土料理、さらにはB級グルメまであちこち食べ歩いていた両親は、咲綾にも自分達が覚えた味を伝えてくれた。
その時の経験が〝ヴィオラ〟としても大いに役に立っているが、前世の咲綾は十八歳で死亡。今世のヴィオラは現在十二歳。前世でも、今世でも、結婚なんてまだまだ先の話だと思っていた。
(……たしかに、王族なら縁談のひとつやふたつ、あってもおかしくはない年ではあるんだけど、それどころじゃなかったものね)
ヴィオラはイローウェン王国の王女ではあるのだが、身分に釣り合った結婚なんてできないと思っていた。
この国に来た理由だって、自分の国から離れたところでどうにか自分の生きる道を探したいと思ったからで――。
(だめだめ。今は、そんなことを考えている場合じゃなかった)
慌てて気を取り直す。
「ヴィオラ・アドルナード、まいりました」
皇妃の居間に到着し、きちんと名乗りを上げて頭を下げる。
その時の経験が〝ヴィオラ〟としても大いに役に立っているが、前世の咲綾は十八歳で死亡。今世のヴィオラは現在十二歳。前世でも、今世でも、結婚なんてまだまだ先の話だと思っていた。
(……たしかに、王族なら縁談のひとつやふたつ、あってもおかしくはない年ではあるんだけど、それどころじゃなかったものね)
ヴィオラはイローウェン王国の王女ではあるのだが、身分に釣り合った結婚なんてできないと思っていた。
この国に来た理由だって、自分の国から離れたところでどうにか自分の生きる道を探したいと思ったからで――。
(だめだめ。今は、そんなことを考えている場合じゃなかった)
慌てて気を取り直す。
「ヴィオラ・アドルナード、まいりました」
皇妃の居間に到着し、きちんと名乗りを上げて頭を下げる。