転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「ああ。彼と友人になれてよかったと思うよ」
セスとの会話は、どうしたって上滑りしてしまう。過去のあれこれを考えれば、親しくできようはずもない。
「でもよかったですよ。セスが証拠を持ってきてくれなかったら、リヒャルト様も私も大変でしたもん、きっと」
――それなのに。
ヴィオラはこの室内の空気をいともたやすく壊してしまう。
ニイファに学んだのか、危なげのない手つきでリヒャルトの分のお茶をいれながら、ヴィオラは続けた。
「セスは、リヒャルト様のことが大好きなんですよね」
「ヴィオラ様。それだけでは片付けられないんですよ――俺達のことは」
そう返すセスの声音には、ほろ苦いものがにじんでいる。
「わかってるわよ、そんなの。大人はいろいろ大変だと思うわ――それに、私も知らない事情だっていろいろあるのでしょうしね。だけど、ここには三人しかいないのよ?」
「――ですからね、ヴィオラ様」
セスとの会話は、どうしたって上滑りしてしまう。過去のあれこれを考えれば、親しくできようはずもない。
「でもよかったですよ。セスが証拠を持ってきてくれなかったら、リヒャルト様も私も大変でしたもん、きっと」
――それなのに。
ヴィオラはこの室内の空気をいともたやすく壊してしまう。
ニイファに学んだのか、危なげのない手つきでリヒャルトの分のお茶をいれながら、ヴィオラは続けた。
「セスは、リヒャルト様のことが大好きなんですよね」
「ヴィオラ様。それだけでは片付けられないんですよ――俺達のことは」
そう返すセスの声音には、ほろ苦いものがにじんでいる。
「わかってるわよ、そんなの。大人はいろいろ大変だと思うわ――それに、私も知らない事情だっていろいろあるのでしょうしね。だけど、ここには三人しかいないのよ?」
「――ですからね、ヴィオラ様」