転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「あのね、セス。ここを出たら、もう会えないんでしょう? そのくらいは私にだってわかるわよ。リヒャルト様だって、わかってると思うわ」
ヴィオラはテーブルにリヒャルトの茶を置く。そして、リヒャルトに向かって一礼し、そのまま部屋を出ていこうとした。
ヴィオラを止めたのは、リヒャルトだった。
「そうだな、ヴィオラの言うとおりだ――ここには三人しかいない」
「ちょ、リヒャルト様! わぁ、なにするんですか!」
ヴィオラの身体を持ち上げ、そのままセスのそばに座る。ヴィオラの位置は、膝の上だ。
小さくて柔らかくてきゃしゃな身体。腕に少し力を込めればぽっきり折れてしまいそうだ。壊してしまわないよう、細心の注意を払って腕の中に囲い込む。
膝の上のわずかな重みと、華奢で柔らかな身体の温かさに安堵した。
「……許しがたいこともいろいろあるが、お前のことは嫌いじゃない」
「……俺も、ですよ。リヒャルト殿下――許してもらえないのも当然です」
その言葉で、セスとの距離を改めて認識する。
ヴィオラはテーブルにリヒャルトの茶を置く。そして、リヒャルトに向かって一礼し、そのまま部屋を出ていこうとした。
ヴィオラを止めたのは、リヒャルトだった。
「そうだな、ヴィオラの言うとおりだ――ここには三人しかいない」
「ちょ、リヒャルト様! わぁ、なにするんですか!」
ヴィオラの身体を持ち上げ、そのままセスのそばに座る。ヴィオラの位置は、膝の上だ。
小さくて柔らかくてきゃしゃな身体。腕に少し力を込めればぽっきり折れてしまいそうだ。壊してしまわないよう、細心の注意を払って腕の中に囲い込む。
膝の上のわずかな重みと、華奢で柔らかな身体の温かさに安堵した。
「……許しがたいこともいろいろあるが、お前のことは嫌いじゃない」
「……俺も、ですよ。リヒャルト殿下――許してもらえないのも当然です」
その言葉で、セスとの距離を改めて認識する。