転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
一方通行であって、返されることのない思いであるということもまたきちんと理解しているけれど。
もし、今の年齢が十二ではなく十八だったら、こんな思いはしなくてすんだだろうか。
(前世のことなんて、話してもきっと理解できないだろうし……)
この世界には、ヴィオラが前世の記憶を持っていると知っている人間が、ヴィオラの他にもうひとりだけいる。
それは、ミナホ国の王姉であるヤエコだ。だが、彼女には必要と思ったから打ち明けただけ。彼女が他言していないことから、こちらの世界では理解しがたい概念なのだろうとヴィオラは思っていた。
「それでね、ヴィオラ。今日呼んだのは、婚約式のことなのだけれど。ドレスを新しく仕立てないといけないのよ」
皇妃がいたずらっぽいまなざしになり、ヴィオラの方にデザインの描かれているスケッチブックを差し出した。
「新しいドレスですか? でも、この間も新しく仕立てていただいたばかりで……ねえ、ニイファ」
もし、今の年齢が十二ではなく十八だったら、こんな思いはしなくてすんだだろうか。
(前世のことなんて、話してもきっと理解できないだろうし……)
この世界には、ヴィオラが前世の記憶を持っていると知っている人間が、ヴィオラの他にもうひとりだけいる。
それは、ミナホ国の王姉であるヤエコだ。だが、彼女には必要と思ったから打ち明けただけ。彼女が他言していないことから、こちらの世界では理解しがたい概念なのだろうとヴィオラは思っていた。
「それでね、ヴィオラ。今日呼んだのは、婚約式のことなのだけれど。ドレスを新しく仕立てないといけないのよ」
皇妃がいたずらっぽいまなざしになり、ヴィオラの方にデザインの描かれているスケッチブックを差し出した。
「新しいドレスですか? でも、この間も新しく仕立てていただいたばかりで……ねえ、ニイファ」