転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

「皇妃様がおっしゃっているのは、式典用の新しいドレスのことだと思います。晩餐会や舞踏会で着るドレスとはまた違うものです」

　どう反応したらいいものかわからず、ニイファに助けを求める。いつでも頼りになる侍女は、ヴィオラが望む答えをきちんと返してくれた。

「もちろん、あなたの身体に合わせて仕立てるのだもの。あまり重くならないようにするわ」
「……重いのですか？」

　皇妃の言葉に不安になり、ちらりと自分の身体を見下ろしてみる。
　この国に来た時と比較すると、いくぶん成長してはいるが、完全に子供の体形だ。特にヴィオラの場合、同年代の少女と比較すると背が低く、身体も細身だ。
　健康でめったに風邪もひかないが、肉体的には非力であるのは否定できない。あまり重い衣装だと無理が生じる気がしてならない。

「ええ、金や銀、それに宝石をたくさんつけるのが正式ですからね」
「無理です、そんなの！」
「ええ。だから、あなたの意見も聞いて、基本的なデザインを決めようと思ったのよ」