転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 それを聞いて、ヴィオラはますます顔を引きつらせてしまった。このドレスだけで、どれほどの金額になるのか考えるだけで恐ろしい。
 いや、オストヴァルト帝国は裕福だから、この程度のドレスで国庫が傾くというほどのこともないのだろうが、それにしたってヴィオラには分不相応だ。

「……無理です、これは」
「これは大人用の正装だもの。あなたはまだ成人していないし、ここまでする必要はないと思うわ」

 ヴィオラは小国の王女ということもあり、あまり華美にすると周囲に不穏な目で見られることになりかねない。

「――それでね。仕立屋にあなたの負担が軽くなるようなデザインを考えさせてみたの。この中に気に入ったものはあるかしら。いつも着ているドレスとは違うから、気に入らないかもしれないけれど……儀式用のものだから、そこは我慢してほしいの」

 困ってしまって、ヴィオラはニイファの方に目を向ける。こういう時、ニイファならきちんとした答えを導き出してくれるからだ。

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