転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 子供だから、ふたりが深刻な顔をしているのに気づいていないのだ。そういうことにしておく。
 ワゴンに目をやった皇妃が微笑む。

「まあ、今日のお菓子は一段と鮮やかね」
「皇宮の果樹園で、今年初のイチゴが収穫できたそうですよ。だから、今日はイチゴのお菓子をたくさん作りました」

 皇妃は、米粉や餡を使った和菓子が好物なのだが、今日はあえてイチゴ大福は作っていない。それは後日のお楽しみだ。

「イチゴのアイスクリームを作ったので、パフェにしてみました」

 最初にテーブルに置いたのはイチゴパフェだ。背の高いグラスにアイスクリームと一緒にシリアルや生クリームを盛り付ける菓子は、こちらの国では見たことがない。
 可愛らしい見た目なので、皇妃はヴィオラの予想通り気に入ってくれたようだ。

「とてもおいしそう。あとはなにを作ってくれたのかしら?」
「今日は、イチゴのタルトとチーズケーキです。チーズケーキにはイチゴのソースをかけていただきましょう」

< 4 / 302 >

この作品をシェア

pagetop