転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「……なるほど。私のドレスを使うことで費用をおさえるのと同時に、私が後ろ盾になっていると改めて皆に知らしめるということね」
「はい、皇妃様。ヴィオラ様にかける費用は、目につかない方がよろしいかと存じます。それに、おさがりをいただくということは、ヴィオラ様を可愛がってくださっているということが、他の皆様にもわかりやすいかと思います」

 高貴な身分の者から宝石や衣服を与えられるのは、寵愛の印と見られることも多い。皇妃や他の妃達が、侍女に自分のドレスをおさがりとして与えるのは、忠誠心に対する感謝の印でもある。
 仕える側にしてみれば、主の身に着けたものを与えられるというのは、名誉でもあるのだ。
 ニイファの提案は、ヴィオラのために散財していると周囲に思わせないのと同時に、皇妃とヴィオラの関係が密接なものであると知らしめることができるものであった。

「今回はイローウェン国王夫妻もいらっしゃいますので、よりわかりやすい形で示すことができれば、と判断いたしました」
< 41 / 302 >

この作品をシェア

pagetop