転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

「……そう。そういう考え方もあるわね。イローウェン王国風の仕立てとなると黄金のベルトを貸せなくなってしまうのだけれど、それは問題ないかしら」
「はい。むしろベルトは必要ないかもしれません。皇妃様のドレスをいただくということの方が重要です」

　ニイファの言葉に、皇妃は考え込む表情になった。そして、リヒャルトの方に目を向ける。

「リヒャルト、あなたはどう思う？」
「そうですね。イローウェン王国風のドレスを仕立てた方がいいかもしれません。あの国を軽んじているように見られるのも困るでしょう」

　リヒャルトは、ニイファに同意した。

「では、私も考え直さないといけないわね。そうね、今回はあまり大掛かりなものにする予定はないし、イローウェン王国風に仕立てた方がよさそうね」

　スケッチブックをテーブルの上に置き、皇妃は忙しく考えを巡らせ始める。

（……ニイファは、本当に私のことを考えてくれているんだ）