転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ～婚約式はロマンスの始まりですか!?～

　もちろん、今までニイファの忠誠心を疑ったことなんて一度もない。なにしろ、ニイファは自分の命を投げ出してヴィオラを救ってくれたことがあるのだ。
　だが、ヴィオラが思っている以上に周囲のことに気を配っていて、ヴィオラが一番いい道を選べるように、常に考えているのだということを、何度も何度も思い知らされる。

（私は、ニイファの忠誠心に、なにを返すことができるの？）

　小さな頃から、身を寄せ合うようにして生きてきた。
今、ここにいることができるのもニイファのおかげだ。それなのに、まだなにも返すことができていない。

「そうね、婚約式の時に着るドレスは、私のドレスをイローウェン王国風に仕立て直しましょう。可愛がっているのだと皆に知らしめなくてはね。私からは帯ではなく、首飾りか腕輪を貸しましょう。ジャニス妃にも、なにか貸してもらえないか聞いてみるわ」

　思いがけないところで、ジャニス妃の名前が出てきて、ヴィオラは目を瞬かせた。

「ジャニス妃――ですか？」