転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
第二章 ”父”ではなく”国王”との再会
皇妃からドレスを仕立てるという申し出があってからひと月後。
ヴィオラの父であるイローウェン国王と、その妻であり、現王妃であるザーラが皇宮に到着した。
ザーラは、ヴィオラの母である前王妃が嫁ぐ前から、父の愛人だった女性だ。父は母をいやいや娶(めと)ったそうで、ヴィオラは父との間に親子らしい思い出なんてない。
父が、この国に人質としてヴィオラを差し出すことを迷わず決めたのも、真実に愛したザーラの娘よりは、どうなってもいい娘を出したというのが正解だ。
(わかってはいるけれど、怖い……)
最後に顔を合わせたのは、イローウェン王国を出発したその日の朝。そして、その日は、ヴィオラが〝ヴィオラ〟として目覚めたその当日でもあった。
〝咲綾〟としての前世の記憶を持ち合わせたまま父に会いに行き、生涯会わないであろうという覚悟とともに別れを告げた。
一生会わないつもりで国を出てきたのに、こんな形で父と顔を合わせることになるなんて皮肉なものだ。
「ヴィオラ様、そろそろお支度を始めませんと」
ヴィオラの父であるイローウェン国王と、その妻であり、現王妃であるザーラが皇宮に到着した。
ザーラは、ヴィオラの母である前王妃が嫁ぐ前から、父の愛人だった女性だ。父は母をいやいや娶(めと)ったそうで、ヴィオラは父との間に親子らしい思い出なんてない。
父が、この国に人質としてヴィオラを差し出すことを迷わず決めたのも、真実に愛したザーラの娘よりは、どうなってもいい娘を出したというのが正解だ。
(わかってはいるけれど、怖い……)
最後に顔を合わせたのは、イローウェン王国を出発したその日の朝。そして、その日は、ヴィオラが〝ヴィオラ〟として目覚めたその当日でもあった。
〝咲綾〟としての前世の記憶を持ち合わせたまま父に会いに行き、生涯会わないであろうという覚悟とともに別れを告げた。
一生会わないつもりで国を出てきたのに、こんな形で父と顔を合わせることになるなんて皮肉なものだ。
「ヴィオラ様、そろそろお支度を始めませんと」