転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
第一章 進み始めた縁談
オストヴァルト帝国、満月宮の中にあるヴィオラの部屋に置かれているのは、いずれも上質な品だ。壁際に置かれた机に向かい、熱心に古典の教科書を読みこんでいるヴィオラに、ニイファがそっと声をかけた。
「お休みの時間は、とっくに過ぎてしまいましたよ。ヴィオラ様」
「んー……でも、もう少し頑張りたいの」
ヴィオラは首を横に振る。もう入浴は済ませたので、艶やかな金髪は首の後ろで束ねてあるだけだ。
時計は真夜中近くを指している。舞踏会に出かける成人女性ならばともかく、次の誕生日で十三歳となるヴィオラには、少々遅すぎる時間だ。
日頃は生き生きとした光を放つ鮮やかな緑色の目も、今は眠気でとろんとしている。ヴィオラは、その目をこすって眠気を追い払おうとした。
「これ以上遅くなると、明日起きられなくなってしまいますよ。明日は、クィアトール宮での講義ですから、途中で眠くなってしまっては意味がありません」
優しく、けれど断固としてニイファはヴィオラを机から引き離した。
「……でも」
「お休みの時間は、とっくに過ぎてしまいましたよ。ヴィオラ様」
「んー……でも、もう少し頑張りたいの」
ヴィオラは首を横に振る。もう入浴は済ませたので、艶やかな金髪は首の後ろで束ねてあるだけだ。
時計は真夜中近くを指している。舞踏会に出かける成人女性ならばともかく、次の誕生日で十三歳となるヴィオラには、少々遅すぎる時間だ。
日頃は生き生きとした光を放つ鮮やかな緑色の目も、今は眠気でとろんとしている。ヴィオラは、その目をこすって眠気を追い払おうとした。
「これ以上遅くなると、明日起きられなくなってしまいますよ。明日は、クィアトール宮での講義ですから、途中で眠くなってしまっては意味がありません」
優しく、けれど断固としてニイファはヴィオラを机から引き離した。
「……でも」