転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 膝をついたことで、リヒャルトがヴィオラを見上げる形になる。彼がこちらを見ている目は真摯そのもので、その視線に射抜かれたような気がした。

(……なに馬鹿なことを考えているのよ)

 そんな目で見られたら、今の自分の立場を忘れてしまいそうだ。リヒャルトと釣り合った大人の女性で、こんな風にいとおしそうに見られても彼と釣り合いがとれていて。

「……これからは、俺の問題でもある」

 真正面からぶつけられた言葉。その言葉に、ヴィオラもついつられそうになった。

「――どうして、リヒャルト様の問題なんですか?」
「――君が、俺の婚約者だから」

 そんな風に言うから、ヴィオラも期待してしまうのだ。
 今は無理でも――もう少し大人になったら、リヒャルトのそばにいることを許されるのではないかと。
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