死者の魂〜最期のメッセージ〜
「何の動物のものか調べないとね」

「この人は動物を飼っていたのか?」

朝子が解剖室から出て行き、聖が訊ねる。如月刑事がメモ帳を広げた。

「犬を被害者は飼っていたが、毛の色は白。飼っていた犬のものではない」

「つまり、犯人が飼っている動物という可能性が高いのね」

藍がそう言うと、如月刑事が「ああ」と頷く。

解剖は順調に終わりを迎えた。



解剖が終わり、藍は家へと帰っていた。前回では見つけられなかったものも見つけることができ、ホッとする。

歩く藍の足がふと止まる。藍の目の前にあるのは、小さな花屋。どうやら今日オープンしたもののようだ。

藍の足が自然と花屋に向かう。中に入ると、四十代とおぼしき女性が「いらっしゃいませ」と微笑んだ。店内には藍しかいない。

店内には綺麗な花がたくさん揃えられている。その一つ一つを、藍は解剖で観察する時のように眺めた。

「……これ……」

藍の目がある花の前で止まる。白い可愛らしい花が売られている。
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