たとえ君が・・・
驚くほど多香子の体は冷たく、軽い・・・。

渉はこのまま多香子が消えてしまうのではないかと一瞬にして不安にかられた。

そうはさせない・・・


渉は多香子を浴室に運び、床にバスタオルをひくと一度多香子の体をその上に降ろす。
そして自分の上着を脱ぎ棄て、次に多香子の上着を脱がせる。

一刻を争う状況に渉は服のまま再び多香子を抱き上げると浴槽に多香子の体を座らせ、熱いシャワーを出した。多香子の体は座っている状態を保つ力も入らないらしく、多香子の意識はまだもうろうとしている。

渉は自分も浴槽の中に入り、多香子の体を支えながら多香子の体に熱いシャワーのお湯をかけ、浴槽にもお湯を全開にして入れた。
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