たとえ君が・・・
多香子の状態を気にかけながら、再びすぐに眠りについた多香子の体を抱きしめ続けていた渉は朝になっても眠れなかった。

この時間がずっと続いてほしい。

そんなことを願っていた。






「ん・・・」
あたりが完全に明るくなったとき、多香子が目覚めた。顔をあげると自分の方を見つめている渉と目が合い、多香子はうつむいた。
「ごめんなさい。」
夕べからの自分がかなり渉に迷惑をかけてしまったことを多香子は反省した。
渉は勤務だったことも多香子はわかっている。勤務明けで、負担をかけてしまった・・・。
しゅんとする多香子の頭を渉が撫でる。
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