たとえ君が・・・
屋上の想い扉を渉が開けると多香子はまっすぐにいつもの場所へ向かった。

街の景色が見渡せるフェンスの近くが3人の定位置だった。

ここへ立つのも5年ぶりだ。

多香子はその場所に着くと目を閉じて大きく深呼吸した。




渉は一歩下がったところから多香子を見守っていた。


少しすると多香子は後ろに立つ渉の方を振り返った。

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