たとえ君が・・・
「渉。」
「ん?」
多香子に呼ばれて渉が多香子を見る。多香子は空を見上げたまま渉に「ありがとうね」と伝えた。
「どういたしまして。こちらこそだな。ありがとう。」

多香子が渉を見るとポケットに手を入れたまま、照れ臭そうに笑う渉がいた。

その時、救急車の赤いランプが見えた。

「行きますか。」
「はい。」


二人は気合を入れると救急車で運ばれた患者を受け入れる用意を始めた。
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