たとえ君が・・・
また新しい命が誕生する。

時間が流れてしまうことが怖くなることもある。

時間の流れに逆らいたいと強く願ってもできない現実に立ち止まりたくなることがある。

大きな悲しみに後ろ向きになることがある。

それでも、時間は流れて、新しい命は誕生する。


多香子はそんなことを考えながら、また新しい命の誕生に立ち会った。



自分の子供を失った時、命の誕生に立ち会う仕事を辞めようと何度も思った。

それでも、この仕事を辞めることができないのは、新しい命の誕生に感動し、力をもらい、また前に進めるような気がするからだ。

命は・・・すばらしい・・・
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