たとえ君が・・・
「少し、休憩しない？」
多香子の提案に渉がサービスエリアに向かった。
「ここのサービスエリアのクロワッサンがおいしいの。」
「朝ごはん、まだだったからな。ごはんにしようか。」
「うん。」
二人はサービスエリアでホットスナックやパン、飲み物を買った。

「私も払う。」
多香子が財布を出してもいつも渉が多香子にはお金を出させない。
「高速料金も渉に出してもらうのに。申し訳ない。」
「いいんだよ。いつも食事の材料は多香子が出してくれてるんだから。それに、俺のほうが明らかに食べるし。」
渉がそう言って店員にお金を渡す。

二人は付き合うようになり、お互いの部屋に行き来することが増えた。だいたいは忙しい時間の合間を見つけて会うため、どちらかの家で多香子が食事を作り、ゆっくりと食べて帰宅するということが多い。
二人でスーパーへ買い物へ行けるときは渉が支払いをするが、多香子は事前に食材を買っていることが多かった。
渉は細身だが、かなり食べる。嫌いな食べ物もほとんどなく、多香子の作ったものは何でも食べてくれた。作り甲斐があると、多香子はレシピを参考に様々な料理にも挑戦している。
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