たとえ君が・・・
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
会計をする渉を多香子はふと見上げる。
渉は長身で、今日はスーツにコートを着ていてかなりサービスエリアでも目立っていた。
かっこいい・・・。店員も渉を直視できずにうつむきがちに接客していた。

いつも一緒にいるから浮気の心配は全くないけど・・・多香子は少し周りの女性の視線が気になった。自分はたいしてかわいくもきれいでもない。地震など全くないのに。渉とつりあうことができているのか不安になった。
「どうした?」
「うんん。」
「お腹すいた?」
「うん。」
「よし。向こうの席で食べようか。」
「うん。」
二人は買ったものをテーブルに並べて、朝食をとった。

デートらしいデートははじめての二人は何もかもが新鮮だ。
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