たとえ君が・・・
「付き合って間もないけど、この先に結婚しか見えない。結婚しよう。」
「・・・いいの?」
「多香子がいいんだよ。」
「・・・」
「結婚しよう。」
渉の揺るがない言葉に多香子は首を大きく縦に振った。

「少し、自分で座れるか?」
渉はそういうと多香子の体制を変えて、支えていた自分の体を動かした。
そして自分のカバンから小さな紙袋を出す。
「開けてみて」
紙袋を多香子に渡し、再び多香子の体を支えると多香子を見つめた。
多香子がその紙袋から小さな箱を出す。
その箱を開けると中には大きなダイヤのついた指輪が入っていた。

多香子が渉を見つめる。
「多香子の好みに合ってるといいんだけど。」
渉はそう言って箱から指輪を出して多香子の左手の薬指にはめた。
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