たとえ君が・・・

食事を終えると渉が食器を洗ってくれることが多い。
渉の洗った食器を多香子が拭き片づけていく。渉は食器洗いが終わるとお風呂掃除をして湯船にお湯をためる。多香子は食器を片付け終わると洗濯物をたたみ、渉のシャツにアイロンをかけた。どちらの部屋かは関係なく、お互いにできる家事をする。その阿吽の呼吸は仕事を長年一緒にしてきたからこそできるのだろうと思っていた。
渉は家に帰ってもまめに家事を行ってくれる。きっと結婚しても変わらないだろうと多香子は思っていた。
「お風呂の支度できたぞ。」
「うん。」
渉は多香子に声をかけると先にお風呂に入った。体を洗い湯船につかると、多香子がメイクを落として入ってくる。体を洗うと、渉の入っている湯船に入った。
「あー気持ちいいね。」
「なー。まだまだ寒いからな。」
「うん。」

渉は後ろから多香子の体を抱きしめる。
そして多香子の肩にキスをすると、多香子の体に自分の腕をまわした。